- 【名前】鈴木一郎
- 【性別】男性
- 【年齢】46歳
- 【職業】自営業
- 【住んでいる場所】奈良県
- 【借金額】1億円程度
- 【どこからお金を借りたか】三井住友銀行 アイフルなど
- 【借金の理由】事業資金
- 【何を滞納したのか】借金全て 税金など
多額の借金がありましたが自己破産でゼロになりました
私の父親は田舎から出て来て会社を興し、バブル期には100人程度の従業員を抱える程までに成長させました。
私が子どもの頃はとても裕福で、欲しい物は何でも買って貰えるほどで、大学時代には自分と弟にそれぞれ車も買ってもらえるほどでした。
いつか自分は長男なので、父親の会社を継ぐというのは意識の中にありましたが、サラリーマンもやってみたかったので、一般企業に就職することにしました。
景気がとても良かったので、すぐに就職先は決まり、サラリーマン生活を送っていました。
数年ほど経って、そろそろ父親も高齢ということで家業を継ぐためにサラリーマン辞め、父親の会社に役員として勤め始めました。
最初のうちはバブル景気で会社の経営状態も順調だったのですが、バブルがはじけてしまい、会社の経営状態は悪化の一途をたどるばかりでした。
元々かなりの借金を抱えていましたが、売り上げがかなりあったので、借入れを延滞することなく順調に返済していましたが、だんだんとそれも厳しくなっていきました。
そもそも最初に借金した理由は、工場を経営していて下請けのため、上の会社が商品の発注をするからそのために機械類を入れるようにと言われると、多額の投資をせざるを得ないため、数千万単位で銀行から借金をしたことです。
機械は一台に数百万円から数千万円するので、それは仕方のないことでした。
だんだんと借入れが返済できなくなっていったので、父親と私は相談した結果、従業員をリストラすることにしました。
一時期は100人程度もいた従業員ですが、半分以上を解雇するしかありませんでした。
それだけ従業員を解雇したので、給与や社会保険料の負担額が月々減っていくはずなので、借金も順調に返せると思っていましたが、それも簡単にはいきませんでした。
従業員をリストラした途端に、上の会社が受注を大幅にカットしてきたのです。
ですが、すでに機械類は導入してしまっています。
売上はどんどん減ってしまい、景気のいい頃には残業や休日出勤までして商品を作っていたのに、午前中にはもう仕事がなくなる始末でした。
従業員をリストラしてもこの状態ですので、また借金を返すのが苦しくなっていきました。
銀行の借入れ金を返すのが難しくなりそうだったので、とうとう私は消費者金融に手を出してしまうことに・・・。
消費者金融は少額なら即日融資でお金を貸してくれるので、すぐにカードローンで当座のお金を借りました。
すごく簡単にお金を貸してくれたのには驚きました。
ですが、簡単に貸してくれるからと言って、毎月のように借りるようになってしまい、とうとう融資限度額いっぱいになってしまったのです。
私はもう闇金に手を出すしかなくなってしまい、さすがにそれはまずいと思ったので、父親と相談して弁護士のところに債務整理の相談に行きました。
弁護士の言うことには債務整理には色々な方法があるが、一番話が早いのは自己破産ということでした。
自己破産してしまうと会社はもちろんなくなりますし、私や父親の自宅が担保に入っているので、取り上げられてしまうとのことでした。
他にも預貯金や会社名義の車など全ての財産を失いますが、その代り全ての借金はチャラになってしまうというメリットがあるそうです。
自宅や車などを失うのは大変嫌ですが、一億円程度の借金が全てなくなるならその方法もありかな・・・と思うようになり、父親と相談した結果、自己破産する事に決めました。
その後、当然ですが自宅は人手に渡ってしまいました。
ローンを組んで購入したマイホームでしたが、私達はそこから出てかざるを得なくなり、近くの団地に引っ越しました。
父親と母親も自宅を手放し、市営住宅に引っ越して年金生活を送っています。
私は会社がなくなったので仕事がなくなってしまったわけで、ある人のつてで小さな会社の事務職にありつきました。
父親の会社では役員だったのに、今では平凡なサラリーマンです。
でも、自分の器には今の状況の方が合っているように思います。
妻はそれまで専業主婦でしたが、今はパートに出てくれています。
二人のお給料を合わせても25万円程度ですが、ローンがないのでなんとかやりくりすれば生活できているような状態です。
借金というのは商売をしていればするのは当然かもしれませんが、上の会社からの受注があってこそ売上があるので、それ前提で借金をするような下請けには厳しいものがあります。
あの当時そのまま受注があれば、きっと自己破産などしていなかったに違いありません。
一億円以上も借金してみて、毎月返済日が近づく時の気持ちはとても精神的に追い詰められた気持ちでいっぱいで、もう二度と借金をしたいとは思いません。
今はサラリーマンですし、住宅ローンもなく、車も持っていないので借金は一円もありません。
車を買うなら貯金もないので借金するしかないですが、借金するくらいなら車を購入するのはやめておこうと思うほどです。
管理人からのコメント
事業に失敗すると、多額の借金を抱えてしまいます。
1億円レベルになると、自己破産をするしかないですね。
中にはそういった借金を背負いながらも頑張って返済をする人もいるみたいですが、自己破産は国に認められた制度です。
自分の力では返済することができないのであれば、自己破産をして人生をやり直すことも時には必要です。
そうして身軽になった状態でまた立て直せばいいのです。
自己破産をする時には非常に手続きが複雑ですので、弁護士に相談をするのが一般的です。