今回は、住宅ローンでの借り換えの問題について考えてみたいと思います。
借り換えという言葉は、主に住宅ローンを組んでいる人が金利や支払いを減額するために使う方法として利用します。
キャッシングについても借り換えと呼ぶことがありますが、「おまとめローン」や「1本化」という言い方で呼ぶことが多いようです。
借り換えは、主に住宅ローンを組んでいて生活状況によって支払いが苦しくなる時や金利の上昇の可能性がある時に、今の変動金利から固定金利に変更する時などに行われることが多く、繰り上げ返済をするために借り換えをする人もいます。
住宅ローンは最も長く支払いが続くため、返済を始めた時には問題なく続けられていても、お子さんの成長に伴う学費やご主人の仕事による収入の減少によって返済がきつくなり、借り換えを行う人も多くいるようです。
1.借り換えのメリットやデメリットについて
住宅ローンを取り扱う金融機関では、利息や借り換えの条件を有利にして顧客の獲得を目指してしています。
しかし、借り換えには多くの条件や審査もあって借り換えができない人も多いようです。
〇住宅ローンの種類と金利などの特徴
★住宅金融公庫:1.54%~1.67%(全期間固定)
借り入れの期間は全て固定金利で借り入れ時に期間の延長ができる
事務手数料が高い・団体信用生命保険と疾病保障費用が別途で負担になる
★ネット銀行:金利0.88%(変動)~1.55%(20年固定)
借り換え時に借入期間の延長ができる・団体信用生命保険が金利に含まれている・疾病保障が無料
★民間金融機関:0.725%(変動)~2~3%(20年固定)
団体信用生命保険・疾病保障費用は別途
今では、ネット銀行が本格的に住宅ローンに参入したこともあり、金利手数料が付帯する費用も安いと、申し込みが急増し他の金融機関より借り換えを希望する利用者も増えているようです。
借り換えをする時のメリットやデメリットを考えてみたいと思います。
〇借り換えをするメリット
- 金利が安くできる
- 月々の返済を安くすることができる
- 借入時に借入期間の延長ができる
- ネット銀行では、団体信用生命保険が金利に含まれている・疾病保障が無料である
〇借り換えのデメリット
- 手数料や諸費用が高い(住宅金融公庫・民間金融機関)
- 団体信用生命保険・疾病保障が別途
- 借り換えた金利よりさらに下がることがある
- しっかりとした認識がないまま借り換えをしてしまい結果費用が高くなった
よく理解をしてから借り換えをしないと、結果損をすることもあります。
2.借り換えの審査の条件は?
〇借り換えには条件や審査があるので適応するかの問題も
このような事態になると生活も苦しくなるので、借り換えを考えて月々の返済変更を考えて、今の返済をもう少し楽にしたい時や借り入れた時の金利を安くするために行ったりします。
しかし、借り換えをすることは全てが得することになるとは限りませんし、条件や審査に通るとも言えませんので借り換えができない場合もあります。
〇借り換えする時の条件
- 借り換えの条件として住宅金融公庫の借り換えはできません。
- 同じ金融機関の中でも借り換えをすることができません。
- 借り換えする時に住宅の評価額が下がっている(担保割れ)場合もできません。
(金融機関で要相談)
借り換えは、金利を安くする為と支払いを減らすために行いますが、上記の条件がクリアしても借り換えの審査に通らなければいけません。
また、繰り上げ返済をして借り換えを行わないとあまり変わらない場合もあります。
(手数料や諸費用を考えると変わらなくなる場合もある)
3.借り換えの審査は厳しい?
住宅ローンでの借り換えの審査も慎重に調べられるので、審査項目が多く厳しいです。
〇借り換え時の審査
- 収入・職業及び収支のバランス
- 住宅の評価額
- 1年以内に返済を延滞した場合
- 転職が多い場合
- 自動車・ショッピングなど他のローンが多い場合
- クレジットカードの保有数が多い場合(キャッシング枠がそれぞれ設定してあるため)
(キャッシングを利用していない場合も利用したように計算されます)
と審査項目があり、それぞれの項目にあてはまる人には厳しくなることは確かです。
このことから審査基準に満たされていないとして落ちる人も多くいるようです。
4.借り換えができない場合は債務整理するしかない
「借り換えができなければ債務整理をするようになる」まで追い込まれている状態ではすることができないでしょう。
どのような状況で債務整理を考えなければいけないのか問題になってきます。
借り換えができないと債務整理を考えなければならなのであれば、売却を考えなくてはならないのではないでしょうか?
借り換えの審査の一つに遅滞や延滞が直近1年の間に一度でもあれば審査に引っかかります。
確かに借り換えをする時にメリットはありますから支払金額も軽くすることができるでしょう。
しかし、借り換えができない場合は、当然の事ですがそのまま支払い続けなければいけません。
債務整理を考えるにしても、住宅ローンの場合は抵当権により住宅を担保としている為、銀行などの金融機関では返済金額の減額交渉には応じることはないでしょう。
銀行などの債権者は、そのまま差し押さえて競売にかけて処分する方法をとるからです。
個人民事再生をするにしても、住宅ローン以外のローンは消滅できても、住宅ローンそのものの返済は変わることがありませんので意味がなくなります。
一度住宅を手放すことを考えた上で弁護士に相談をしましょう。
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5.借り換えの注意点は?
借り換えの注意点としては、今の金利より安くなる結果をまず概算で計算することが大切になります。
数パーセントの違いが出れば、今の残高と比較して考えてみれば得になる場合もあります。
しかし、諸費用の事も考慮しておく必要があります。
残高が多ければ諸費用も高くなる金融機関もあるので総合的に比較することが大切です。
〇借り換え後の減税制度を利用するには
住宅ローンの減税制度を利用することで、毎年ローン残高の1%を所得税や住民税から控除できるものがあり、これを利用するためには6つの要件があれば利用できます。
- 住宅ローンの返済であること
- 10年以上の借入期間であること(減税制度の対象にあてはまる)
- 住宅ローンである名義人が、その家に住むこと(但し、別荘・セカンドハウスはダメです)
- 床面積50平方メートル以上であること
- 中古住宅の場合:耐震性能があること
(耐火建築物・鉄筋・鉄骨25年以内、それ以外は築20年以内・耐震基準の確認を受けていること) - 年間の所得金額・3000万円以下であること
住宅ローンを借り換えた時でも、10年以上の期間が残っていれば減税制度が利用できるようになります。
★住宅ローンの返済方法
返済方法の見直しも必要かどうかチェックすることが大切です。
そこで住宅ローンの返済方法は2種類ありそれぞれの特徴と比較をしてみましょう。
◎元金均等払い
メリット
・元金が減るのが早い
・返済額が減って来る
・総支払額が少ない
デメリット
・返済を始める時は返済額が高い
◎元利均等払い
メリット
・毎月の返済額が変動金利でない限り一定している
デメリット
・元金の減りが少なく総支払額が多い
となります。
〇借り換えの返済方法は、シミュレーションを
元金均等払いは後々元金の減りが早く支払総額も少ない所に大変魅力がありますが、支払当初の金額が高くなる為に、利用するとなると借り換え前の返済金額よりも高くなる可能性があります。
返済金額を比べて問題が出るようであれば、支払総額は多くなりますが元利均等払いで一定金額の返済を取らなくてはいけません。
しかし、ここもよく考えて返済シミュレーションをして検討しておくことも大切なことです。