「法テラス」は、総合法律支援法に基づいた独立行政法人として設立された法人になります。
(日本司法支援センターのことを、通称「法テラス」と呼んでいます)
債務整理をする時に、経済的理由で生活が苦しく弁護士に相談できずに困っている人は、
「法テラス」を利用することができ費用も安く済ませることができます。
「法テラス」は、全国に相談窓口があるので問い合わせをした時に、
近くの法律事務所を紹介してくれますので法律事務所を探す手間も省くことができます。
目次
0.法テラスについて
★法テラスの業務内容
・情報提供業務
問い合わせた内容に応じて、全国の法テラス地方事務所などに「無料で案内」しています。
・民事法律扶助業務
経済的に苦しい人には法的なトラブルを相談する無料相談を行い、弁護士・司法書士費用などの立替えを行うことができる制度も活用することができます。
・犯罪被害者支援業務
犯罪被害者の支援
(司法過疎対策業務・国選弁護等関連業務などもあります)
生活保護受給者でも利用することができ、全ての事件が終了した後に立替金が残っている場合は、後で「償還免除申請」を出すことで弁護士・司法書士費用を免除することができます。
(但し、相手側から金銭を得ている時、金銭の25%にあたる金額の償還が必要です)
◎法テラスの利用に関してのメリットとデメリット
法テラスの最大のメリットは、弁護士・司法書士費用が安くできることです。
経済的に生活が苦しい人のトラブルを安く解決してくれるところでもあります。
債務整理などを利用する時にはこちらを利用するとかなりのメリットが出てきます。
しかし、生活に関する民事的な解決をする時に、他の法律事務所より対応が遅いことや連絡をしても進捗状況に変化が少ないなど、苦情が出ることもあるようなので、法律相談をする場合はトラブルの種類によって相談する方が良いかも知れません。
その理由として挙げられるデメリットは「法テラス」の利用には収入制限があることや、弁護士・司法書士を選択できないところにあります。
また紹介された弁護士・司法書士も相談者にとって良いと思うことがない場合もあります。
無理をして依頼するのではなく、疑問や質問がある時は法テラスの地方事務所へ連絡をして、弁護士や司法書士の変更の問い合わせをして納得がいくようでしたら依頼するようにしてください。
1.法テラスの利用条件とは?
法テラスを利用するには相談者の資力「財産・金銭を出すことができる」の問題と下記の要件にあてはまることが必要になります。
◎法テラスは要件と資力基準が設けてあり、それをクリアする人が利用することができます。
★利用要件に該当する項目
- 申込者や配偶者が収入などの資力が基準をみたしていること
- 解決したい要件が民事・家事・行政に関する法律問題であること
(民事扶助の趣旨に適していること)
★収入(手取りの月収額)
単身者 | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
182,000円以下 | 251,000円以下 | 272,000円以下 | 299,000円以下 |
(200,200円以下) | (276,100円以下) | (299,200円以下) | (328,000円以下) |
*( )は東京・大阪の生活保護一級地の基準です。
*5人家族以上は、同居する家族1名が増加する毎ごとに30,000円(33,000円)を加算します。
上記のことをクリアしていれば利用できます。
◎また、申込者が家賃または住宅ローンを返済している場合は、下記の金額を限度に加算することができます。
単身者 | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
41,000円以下 | 53,000円以下 | 66,000円以下 | 71,000円以下 |
(53,000円以下) | (68,000円以下) | (85,000円以下) | (92,000円以下) |
(居住地が東京特別区の場合は、( ) 内を適用します)
*医療・教育・職業上やむを得ない支出がある場合、生活が困難になると認められた時などは収入から控除する場合もあります。
また、申込者や配偶者の所有する現金・預貯金・有価証券・不動産の時価などの合計が、
下記の金額以下であることが必要になります。
★年収・資産
単身者 | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
180万円以下 | 250万円以下 | 270万円以下 | 300万円以下 |
2.法律事務所でも民事法律扶助制度を使えば料金が安くなる?
直接「法テラス」へ連絡すれば、その地域の法律事務所を紹介してもらえますが、他の法律事務所に直接相談に行った場合には、「民事法律扶助制度」を利用できるところとできないところがあります。
初めに相談の連絡をしたときに「法テラスの利用はできますか?」と、法律事務所へ聞けば受付できるかどうかわかりますので必ず聞くようにしてください。
◎日本司法支援センター「法テラス」は扱うことができるのが法律援助制度ですので、利用する基準を満たすことができれば費用が安く済みます。
★民事法律扶助は、経済的に困窮な人を対象にトラブルを解決する相談を、無料で弁護士や司法書士に行うことができる「法律相談援助」や「代理援助」「書類作成援助」など、弁護士や司法書士費用の立替えを行う制度です。
3.法テラスの報酬の基準とは?分割できる?
法テラスの報酬金額は下記のように決められた金額で行います。
相談する時に詳しく説明してくれますので、支払い方法にも分割することができる柔軟性がありますので、安心して依頼することができます。
◎法テラスの報酬基準(平成28年度以降に変更される金額)
★任意整理をする場合
債権者の数 | 着手金(円) | 実費等(円) | 合計(円) |
1 | 32,400 | 10,000 | 42,400 |
2 | 48,600 | 15,000 | 63,600 |
3 | 64,800 | 20,000 | 84,800 |
4 | 86,400 | 20,000 | 106,400 |
5 | 108,000 | 25,000 | 133,000 |
6~10 | 151,200 | 25,000 | 176,200 |
11~20 | 172,800 | 30,000 | 202,800 |
21以上 | 194,400 | 35,000 | 229,400 |
★自己破産 をする場合
項目 | 弁護士へ依頼した場合 (代理援助) |
着手金 | ¥129,600 |
実費 | ¥ 23,000 |
合計(円) | ¥152,600 |
※注 10社までの場合
★個人民事再生をする場合
項目 | 弁護士へ依頼した場合 (代理援助) |
着手金 | ¥162,000 |
実費 | ¥ 35,000 |
合計(円) | ¥197,000 |
※注 10社までの場合
★ここでは弁護士に依頼する金額を記載しています。
◎法テラスでも分割することは可能です。
原則3年以内に支払が終了する金額で返済します。
月々1万円か5千円ずつ返済額を選んで分割返済することができます。
民事法律扶助の事業資金は、援助を受けた人たちの償還金を、次の援助が必要な人への援助資金に充てられている重要な財源になっています。
償還する際はこれを守るようにしてください。
4.法テラスで依頼した弁護士を解任できる?
弁護士に依頼したもので進行中の場合、注意することがあります。
★弁護士・司法書士に相談なく示談や事件の取り下げはしないことが前提にあります。
★解任する時には、地方事務所長の承諾が必要になりますので、承諾を得なければ弁護士・司法書士の解任はできないことになっています。
*弁護士や司法書士に対して疑問・質問がある時には、地方事務所まで連絡をしてお聞きください。
5.法テラスを外国人は利用できる?
法テラスは外国人でも一定の条件を満たせば利用することができます。
◎電話で相談する時は、法テラス多言語情報提供サービスへ連絡してください。
通訳業者に相談内容を伝えると通訳業者が近くの法テラス職員につないで3者間で話すことができます。
近くの法テラスを訪ねた場合は、「通訳をお願いします」と伝えてください。
相談者と法テラス職員は通訳業者に電話を通して訳します。
★外国人が法テラスを利用できる人
- 日本に住所がある人
- 適法により在留する人
経済的に余裕がない人に対して、無料相談や弁護士の立替えサービスも実施しています。
(収入に関しては一定の条件があります)
「法テラス」が対応できる言語
★英語・スペイン語・中国語・ポルトガル語・タガログ語